「プレコを飼ってみたいけど、何から始めればいいかわからない」「水槽のコケ取りにプレコが良いと聞いたけど、本当に効果があるの?」そんな疑問をお持ちではないでしょうか。プレコは独特のフォルムと個性的な生態が魅力の熱帯魚ですが、種類や飼育環境の選び方を間違えると失敗しやすい一面もあります。この記事では、水槽・餌・水温の基本から混泳ルール・トラブル対処法まで、初心者が押さえるべきポイントをすべて網羅して解説します。
プレコとは?飼育前に知っておきたい基本知識

プレコとは、ナマズ目ロリカリア科に属する熱帯魚の総称で、正式名称はプレコストムス(Plecostomus)と呼ばれます。
原産地は主に南米のアマゾン川流域で、岩や流木が多い急流に生息しています。
口が吸盤状になっており、岩や水槽のガラス面に張り付いて苔や有機物を削り取って食べる習性があります。
体表は鎧のような硬い骨板(スキューツ/scutes)で覆われており、他の魚に比べて病気への耐性が比較的高い点も特徴です。
飼育難易度は種類によって異なりますが、入門向けの小型種であれば初心者でも十分飼育可能です。
プレコの特徴と魅力|コケ取り能力の真実
プレコの最大の魅力として「コケ取り能力」が挙げられますが、実際の効果については正確に理解しておくことが大切です。
プレコが得意とするのは、ガラス面や流木に付着する茶ゴケ(珪藻)や緑藻の除去です。
一方で、アオミドロや黒ヒゲ状のコケはほとんど食べないため、「プレコを入れれば水槽のコケが全部なくなる」という期待は現実と異なります。
また、大型のプレコになると専用フードへの依存度が高まり、コケ取り効果が低下する傾向があります。
コケ取り効果を期待する場合は、小型種(オトシンクルスに近い種)を選ぶか、複数匹導入するのが現実的なアプローチです。
コケ取り以外にも、独特の模様や吸盤口、底面を這う動きなど、観賞魚としての高い個性がプレコの魅力であり、コレクターも多いジャンルです。
プレコの種類と大きさ|小型種から大型種まで
プレコは世界で800種以上が確認されており、成体のサイズも種類によって大きく異なります。
| 分類 | 代表種 | 最大体長 | 飼育難易度 |
|---|---|---|---|
| 小型種 | ブッシープレコ、オレンジフィンカイザー | 約10〜15cm | ★☆☆(易しい) |
| 中型種 | トリファスキアータ、ゼブラプレコ | 約15〜25cm | ★★☆(普通) |
| 大型種 | セイルフィンプレコ、ロイヤルプレコ | 約30〜60cm | ★★★(難しい) |
初心者が購入時に注意すべき点は、ショップでの販売サイズが最終サイズではないということです。
たとえばセイルフィンプレコは幼魚時は5cm程度でも、成長すると飼育下でも50cm前後に達します(野生では最大60cmに達する個体も報告されています)。
購入前には必ず最大体長を確認し、将来的に対応できる水槽サイズを準備できるか検討しましょう。
プレコの寿命は何年?長生きさせるコツ
プレコの平均寿命は種類によって異なりますが、一般的な目安は小型種で5〜10年、大型種で10〜20年以上です。
適切な飼育環境を整えることで、長期飼育が十分可能なのもプレコの魅力の一つです。
長生きさせるための主なコツは以下の通りです。
- 水質の安定維持:pH・硬度の急変を避け、定期的な水換えを徹底する
- 適切な栄養補給:コケだけに頼らず専用フードで栄養バランスを確保する
- ストレスの排除:隠れ家(流木・洞窟型オブジェ)を設置し、休息場所を確保する
- 病気の早期発見:日々の観察を欠かさず、異変があれば即対処する
プレコは環境の変化に敏感なため、水換えや水槽の模様替えは頻繁に行わず、安定した環境を長期的に維持することが長寿の秘訣です。
初心者におすすめのプレコ3選
数百種いるプレコの中から、初心者でも飼いやすい種類を3つ厳選して紹介します。
- ブッシープレコ:最大約15cm。丈夫で水質適応力が高く、コケ取り能力も優秀。流通量が多く入手しやすい定番種。繁殖も比較的容易。
- タイガープレコ:最大約15cm。トラ柄の美しい模様が人気で、性格はおとなしめ。専用フードにすぐ慣れやすく飼育しやすい。
- ゴールデンプレコ(アルビノブッシー):最大約15cm。明るい体色が水槽に映え、視認性が高いため健康管理しやすい。ブッシープレコ同様に強健。
これら3種はいずれも60cm水槽での終生飼育が可能な小型種であり、初期費用も抑えやすいためおすすめです。
プレコの飼い方|水温・水質の管理方法

プレコを健康に育てるうえで最も重要なのが、水温と水質の安定した管理です。
南米の熱帯雨林出身のプレコは、日本の四季による水温変化に自力では対応できません。
ヒーターやクーラーを活用して適正環境を年間通じて維持することが、飼育成功の大前提となります。
適正水温は22〜28℃|季節別の管理ポイント
プレコに適した水温は22〜28℃で、最適温度は24〜26℃前後です。
水温が20℃を下回ると免疫力が低下して病気にかかりやすくなり、30℃を超えると酸欠や体力消耗が起こりやすくなります。
【冬の管理】日本の冬は室温が10℃前後まで下がることもあるため、サーモスタット付きヒーター(26℃設定)を必ず使用してください。
ヒーターは水槽サイズに合った容量(60cm水槽なら150〜200W)を選び、停電時のバックアップとして予備ヒーターの用意も推奨します。
【夏の管理】夏場は水温が30℃を超えるケースがあるため、水槽用冷却ファンまたはアクアリウム用チラー(クーラー)の導入を検討してください。
冷却ファンは安価(2,000〜5,000円程度)ですが蒸発による水位低下と水質変化に注意が必要です。チラーは高価ですが水温を安定させる効果が高く、大型水槽には特に有効です。
水温計を必ず設置し、1日2回(朝・夜)の水温チェックを習慣化することをおすすめします。
水質はpH6.0〜7.5の弱酸性〜中性がベスト
プレコの適正水質はpH6.0〜7.5(弱酸性〜中性)、硬度はGH4〜12程度が目安です。
原産地のアマゾン川は軟水・弱酸性ですが、多くの飼育品種はある程度の水質幅に適応しているため、中性でも問題なく飼育できます。
水質の測定にはpH試験紙またはデジタルpHメーターを使用します。試験紙は1セット500〜1,000円程度で手軽に測定できます。
pHが下がりすぎる場合(6.0未満)は、サンゴ砂や牡蠣殻をフィルターに少量入れることで緩衝できます。
逆にpHが高すぎる場合(7.5超)は、流木の投入やピートモスの使用がpHを自然に下げる効果があります。
水道水のカルキ(塩素)は必ず中和剤(カルキ抜き)で除去してから使用してください。塩素はプレコのエラを傷つける原因になります。
水換えの頻度と正しいやり方
プレコは他の魚に比べ排泄量が多く、水を汚しやすい魚です。
適切な水換えの目安は週に1回、水槽全体の約1/3量を換えることです。
大型種や過密飼育の場合は、週2回に増やすことを検討してください。
水換えの正しい手順は以下の通りです。
- 新しい水道水にカルキ抜き剤を規定量添加し、水温を現在の水槽水と±1℃以内に合わせる
- プロホース(底面用サイフォン)を使い、底砂のゴミや糞を吸い出しながら古い水を排水する
- 水槽の1/3量を排水したら、新水をゆっくりと注水する(急激な注水はNG)
- 水換え後はpHと水温を確認し、問題なければ完了
一度に大量(1/2以上)の水換えを行うと水質が急変しプレコにストレスを与えるため、必ず1/3以内に留めるのが鉄則です。
プレコの餌と与え方|何を食べる?

プレコは雑食性ですが、種類によって植物食寄りのものから肉食寄りのものまで幅広く存在します。
適切な餌の種類と与え方を理解することが、プレコの健康維持と長寿につながります。
餌の種類|専用フード・野菜・流木の役割
プレコに与える餌は主に3種類あります。それぞれの役割を正しく理解して組み合わせましょう。
①プレコ専用沈下性フード(ペレット・タブレット)
最も基本となる主食です。ヒカリ社の『プレコ』やコリドラス用タブレットなど、底に沈むタイプを選びましょう。植物性・動物性の栄養バランスが取れており、これだけでも飼育は可能です。
②野菜類(ズッキーニ・きゅうり・ほうれん草など)
植物食傾向の強い種(ブッシープレコなど)には野菜の補給が有効です。輪切りにして水槽底に沈め、2〜3時間後に食べ残しを取り出してください。水質悪化を防ぐため放置は禁物です。
③流木(食用としての役割)
プレコは流木の表面を削って繊維質(セルロース)を摂取します。これは消化促進と腸内環境の維持に重要で、流木は餌としての役割も担う必須アイテムです。
肉食傾向の強い種(タイガープレコ等)にはアカムシや赤虫冷凍フードを週2〜3回与えると良いでしょう。
餌を与える頻度とタイミング|夜行性への配慮
プレコは夜行性のため、昼間はほとんど動かず岩や流木の陰に隠れています。
餌を与えるベストタイミングは消灯直前(夜20〜22時頃)です。
昼間に餌を与えると他の魚に食べられてしまい、プレコに十分な量が行き渡らないことがあります。
給餌頻度は1日1回が基本で、プレコが1〜2時間で食べきれる量(タブレット1〜2粒程度)を与えます。
食べ残しは翌朝に必ず撤去し、水質悪化を防ぎましょう。
コケが豊富な水槽では、人工飼料の量を減らして週3〜4回程度に落としても構いません。
餌を食べないときの原因と対処法
プレコが餌を食べない場合、主な原因は以下が考えられます。
- 導入直後のストレス:新しい環境に慣れるまで1〜2週間は食欲が落ちることがあります。無理に餌を与えず様子を見ましょう。
- 餌の種類が合わない:別ブランドやタイプ(ペレット→タブレット等)に変えてみてください。野菜を試すのも有効です。
- 水温・水質の異常:水温が20℃以下または30℃以上、pHが適正範囲外になっていないか確認してください。
- 昼間に給餌している:夜行性のため昼間は食欲がありません。消灯前後に給餌時間を変えてみてください。
- 病気・寄生虫:体表に白点や傷がある場合は病気の可能性があります。早急に専用薬で対処が必要です。
1週間以上餌をまったく食べない場合は、水質検査を行いつつ水換えを実施し、それでも改善しなければアクアリウムショップや獣医師に相談することをおすすめします。
プレコ飼育に必要な水槽サイズと機材一式

プレコの飼育を始める前に、必要な機材と費用の全体像を把握しておきましょう。
機材の種類・サイズを事前に理解しておくことで、無駄な出費を防ぎ、スムーズなセットアップが実現します。
水槽サイズの選び方|成長後を見越した判断基準
水槽サイズはプレコの最大体長の2〜3倍以上の奥行きと幅を目安に選びます。
| プレコの種類 | 最大体長 | 推奨水槽サイズ |
|---|---|---|
| 小型種(ブッシープレコ等) | 〜15cm | 45〜60cm水槽 |
| 中型種 | 15〜25cm | 60〜90cm水槽 |
| 大型種(セイルフィン等) | 30cm以上 | 120〜180cm水槽 |
初心者には60cm規格水槽(60×30×36cm)が最もバランスが良くおすすめです。
水量が多いほど水質が安定しやすいため、スペースが許す限り大きな水槽を選びましょう。
大型種のプレコを将来的に飼育したい場合は、最初から大型水槽を用意するか、成長に合わせたサイズアップ計画を立てておいてください。
フィルター・ヒーター・照明の選び方
【フィルター】プレコは排泄量が多いため、ろ過能力の高い外部フィルターまたは上部フィルターが最適です。
外部フィルターは静音性が高く生物ろ過に優れており、60cm水槽ではエーハイム2213などが定番です。上部フィルターは掃除しやすく維持コストが低いメリットがあります。
投げ込み式フィルターや小型外掛けフィルターはろ過能力が不足するため、プレコ飼育には基本的に不向きです。
【ヒーター】サーモスタット一体型または別体型のヒーターを選びましょう。
容量の目安は水量1Lあたり約2〜3Wです。60cm水槽(約60L)では150〜200Wが適切です。
【照明】プレコは夜行性のため強い光を好みません。LED照明を使用し、点灯時間は1日8〜10時間程度に抑えましょう。
タイマーコンセントを使って自動点灯・消灯を設定すると管理が楽になります。
流木はプレコの必須アイテム|選び方と役割
プレコ飼育において流木は単なる装飾ではなく、必須の飼育アイテムです。
流木の役割は主に3つあります。
- 食物源:流木の表面の繊維質(セルロース)を削り取って摂取し、消化を助ける
- 隠れ家・縄張り:プレコは暗所を好むため、流木下の影が安心できるシェルターになる
- 水質調整:流木から滲み出るタンニンがpHをわずかに下げ、弱酸性水質の維持を助ける
流木の選び方のポイントは、プレコが潜り込める程度の空間がある形状のものを選ぶことです。
アクアリウムショップで販売されているアク抜き済み流木を使用するか、未処理品の場合は1〜2週間水に浸けてアク抜きを行ってから投入してください。
流木は複数本配置することで、縄張り争いを軽減する効果もあります。
初期費用の目安と揃える優先順位
60cm水槽でブッシープレコを1〜2匹飼育する場合の初期費用の目安は以下の通りです。
| 機材 | 目安価格 | 優先度 |
|---|---|---|
| 60cm水槽 | 3,000〜8,000円 | ★★★(最優先) |
| 上部/外部フィルター | 3,000〜12,000円 | ★★★(最優先) |
| ヒーター(150W) | 2,000〜4,000円 | ★★★(最優先) |
| 水温計 | 500〜1,500円 | ★★★(最優先) |
| LED照明 | 2,000〜6,000円 | ★★☆(推奨) |
| 底砂(砂利・砂) | 1,000〜2,000円 | ★★☆(推奨) |
| 流木 | 500〜3,000円 | ★★★(最優先) |
| カルキ抜き剤 | 500〜1,000円 | ★★★(最優先) |
| プレコ本体 | 500〜3,000円/匹 | ― |
総初期費用の目安は15,000〜40,000円程度です。
水槽セット商品(水槽+フィルター+ヒーターがセットになったもの)を利用すると、個別購入より20〜30%程度コストを抑えられることがあります。
プレコの混泳ルール|相性の良い魚・悪い魚

プレコは基本的に温和な魚ですが、相性を考慮せずに混泳させるとトラブルが起きることがあります。
混泳の成否は魚種の相性・水槽サイズ・レイアウトの3要素で決まります。
混泳できる魚・できない魚一覧
| 混泳可否 | 魚種例 | 理由 |
|---|---|---|
| ◎ 相性良い | ネオンテトラ、カージナルテトラ、グッピー | 温和で水質要求も近い。プレコに干渉しない小型魚 |
| ◎ 相性良い | コリドラス | 同じ底棲魚だが温和で縄張り争いが起きにくい |
| ◎ 相性良い | ラスボラ・エスペイ、ハーレクイン | 中層を泳ぐため底面のプレコと干渉しない |
| △ 要注意 | エンゼルフィッシュ | 大型プレコがエンゼルの体表に吸い付くことがある |
| △ 要注意 | 金魚 | 水温・水質要求が異なるため原則非推奨 |
| ✕ 不向き | ディスカス | ディスカスの体表粘液をプレコが舐める危険がある |
| ✕ 不向き | 大型シクリッド(フラワーホーン等) | 攻撃性が高くプレコを傷つける恐れがある |
基本的におとなしく中〜上層を泳ぐ小型熱帯魚との混泳が最も成功しやすい組み合わせです。
混泳を成功させる3つのポイント
① 十分な水槽スペースの確保
過密飼育は縄張り争いやストレスの原因になります。混泳魚の数に応じて水槽サイズをアップするか、飼育数を適切に管理してください。
② 隠れ家・シェルターの複数設置
流木や岩を複数配置し、プレコが逃げ込める空間を設けることで、他魚種との摩擦を最小限に抑えられます。
③ 給餌の工夫(餌の独占防止)
プレコ用の沈下性餌が他の魚に食べられないよう、消灯後に給餌するか、プレコが確実に食べられる場所に餌を置く工夫をしましょう。
プレコ同士の複数飼育は可能?
プレコ同士の混泳は可能ですが、縄張り意識が強い種では注意が必要です。
特にオス同士は縄張り争いを起こすことがあり、体が小さい個体が追いつめられてしまうケースがあります。
複数飼育を成功させるためのポイントは以下の通りです。
- 水槽を十分大きく確保する(90cm以上を推奨)
- 隠れ家・流木を個体数以上の数で配置し、縄張りを分散させる
- ほぼ同サイズの個体を導入し、力関係の格差を抑える
- ブッシープレコのように比較的温和な種を選ぶ
異種間の混泳(例:ブッシープレコとタイガープレコ)は、同種混泳より縄張り争いが少なく、比較的うまくいくことが多いです。
水槽立ち上げからプレコ導入までの手順

プレコを安全に導入するためには、水槽を事前にしっかりと立ち上げることが不可欠です。
バクテリアが定着した安定した環境を整えてから生体を入れることで、導入失敗のリスクを大幅に下げられます。
水槽セッティングの流れ【7ステップ】
- 水槽の設置と洗浄:水槽・機材を中性洗剤を使わず水洗いし、水平な台に設置する。水槽台は耐荷重に十分なものを使用すること(60cm水槽+水で約100kg以上)。
- 底砂の投入:洗浄済みの底砂(砂利・ソイル等)を3〜5cmの厚さで均等に敷く。
- 流木・岩の配置:アク抜き済みの流木と岩を配置し、プレコの隠れ家スペースを確保する。
- フィルターの設置と呼び水:フィルターを設置し、吸水パイプ・排水パイプを正しく配置する。
- 注水:カルキ抜き剤を添加した水をゆっくり注水する。底砂が舞わないよう皿を置いて注ぐと良い。
- ヒーター・照明の設置と起動:ヒーターを水中に設置し、照明タイマーをセットして機器を起動する。
- バクテリアの定着待ち(1〜2週間):市販のバクテリア剤を添加し、1〜2週間フィルターを回してバクテリアを定着させてから生体を導入する。
バクテリアが定着する前に生体を入れるとアンモニア中毒が起こりやすいため、焦らず待つことが重要です。
水合わせの正しいやり方|失敗しない導入方法
プレコをショップから持ち帰ったら、すぐに水槽に放してはいけません。
水温・水質の急変ショック(pH・水温の違いによるストレス)を防ぐため、水合わせが必須です。
推奨される水合わせの手順(点滴法)は以下の通りです。
- 袋のまま水槽に30分浮かべ、水温を合わせる
- 袋を開けてバケツに移し、エアチューブとコック(またはクリップ)を使って水槽水を1時間かけてゆっくり注入する(1分間10〜20滴程度)
- バケツの水量が2倍になったら半分捨て、再び水槽水を注入する
- この工程をもう1回繰り返し、合計2〜3時間かけてpHを段階的に合わせる
- プレコのみをすくって水槽に入れる(袋やバケツの水は水槽に入れない)
丁寧な水合わせを行うことで、導入直後の突然死(ショック死)のリスクを約80%以上低減できます。
導入後1週間の観察ポイント
プレコを水槽に導入した後の1週間は、特に注意深い観察が必要です。
- 餌食いの確認:消灯後に餌を食べているか確認する。食べない場合は翌朝撤去し、翌日再チャレンジ。
- 体表の異常チェック:白点、傷、充血がないかを毎日観察する。
- 水温の安定確認:設定温度(24〜26℃)が保たれているか水温計で確認する。
- 呼吸の異常チェック:エラを激しく動かしている場合は酸欠・水質悪化のサイン。
- 隠れすぎていないか:導入後数日は隠れがちだが、1週間経っても全く出てこない場合は状態悪化の可能性あり。
1週間の間は水換えを少量(1/4程度)に控え、環境変化のストレスをできる限り減らしてあげましょう。
プレコの日常管理とトラブル対処法

プレコの飼育を長期的に成功させるためには、日々のルーティン管理と、トラブル時の迅速な対応が鍵となります。
「何をいつやれば良いのか」を明確にしておくことで、管理の漏れや見落としを防げます。
毎日・週1・月1でやることリスト
【毎日の作業】
- 水温の確認(朝・夜)
- プレコの外観・行動チェック(体表・エラ・食欲)
- 消灯前に餌を投与し、翌朝食べ残しを撤去
- フィルター・ヒーターの稼働確認
【週1回の作業】
- 水換え(水槽の約1/3量)と底砂の糞・ゴミ吸い取り
- ガラス面のコケ掃除(スクレーパー使用)
- pHと亜硝酸塩の測定
【月1回の作業】
- フィルターのろ材洗浄(飼育水で軽くすすぐ。水道水は不可)
- ヒーターのカルキ付着確認と清掃
- 機材の動作・消耗品の交換チェック
プレコがかかりやすい病気と初期対応
| 病気名 | 主な症状 | 初期対応 |
|---|---|---|
| 白点病 | 体表・ヒレに白い小点が多数付着 | 水温を28〜30℃に上げ、メチレンブルー等の薬浴 |
| 水カビ病 | 白い綿状のカビが体表に付着 | 患部を綿棒で優しく取り除き、グリーンFで薬浴 |
| 穴あき病(エロモナス) | 体表に潰瘍・穴が開く | 塩浴(0.5%)+グリーンFゴールドによる薬浴 |
| 拒食症(非感染性) | 長期間餌を食べない | 水質改善・給餌時間の変更・餌の種類変更 |
薬浴を行う際は必ず隔離水槽(バケツでも可)を使用し、本水槽のバクテリアを薬で殺さないよう注意してください。
病気の早期発見には日々の観察が何より重要です。異変に気付いたら迷わず対処しましょう。
よくある飼育トラブルQ&A
Q. プレコが水面近くでパクパクしている
A: 酸欠のサインです。エアレーションを追加するか、フィルターの排水口を水面近くに調整して水面を波立たせてください。水換えも効果的です。
Q. プレコが突然死してしまった
A: 水合わせ不足による導入ショック、水温・水質の急変、アンモニア中毒が主な原因です。特に導入直後と水換え直後は注意が必要です。
Q. プレコが他の魚を攻撃するようになった
A: 成長に伴い縄張り意識が強まることがあります。隠れ家を増やすか、問題の個体を別水槽に分けることを検討してください。
プレコの飼い方でよくある質問

Q. プレコは夜行性?昼間は何をしている?
Q. プレコは夜行性?昼間は何をしている?
A: プレコは完全な夜行性で、昼間は流木の陰や岩の隙間に潜んでほとんど動きません。これは正常な行動ですので心配不要です。活発に行動するのは消灯後1〜2時間経ってからで、夜間にガラス面や流木をなめて採食します。昼間に活発に泳いでいる場合は、体調不良やストレスのサインである可能性があります。
Q. プレコが流木を食べるのは正常?
Q. プレコが流木を食べるのは正常?
A: 正常な行動です。プレコは流木に含まれるセルロース(繊維質)を消化補助として摂取する習性があります。流木を削って白っぽくなるのはむしろ健康なサインと言えます。ただし流木だけでは栄養が偏るため、専用フードや野菜も合わせて与えてください。流木が数ヶ月で削り尽くされたら新しいものと交換しましょう。
Q. プレコの飼育は難しい?初心者でも大丈夫?
Q. プレコの飼育は難しい?初心者でも大丈夫?
A: 種類の選択を間違えなければ初心者でも十分飼育できます。ブッシープレコやタイガープレコなどの小型種は丈夫で水質適応力が高く、適切な水温・フィルター環境があれば大きな問題は起こりにくいです。ただしセイルフィンプレコなどの大型種は成長が早く最終的に大型水槽が必要になるため、初心者には不向きです。最初から小型種を選んで経験を積むことをおすすめします。
まとめ|プレコの飼い方で押さえるべき3つの鉄則

プレコの飼い方について、水槽・餌・水温から混泳・トラブル対処まで幅広く解説してきました。
最後に、プレコ飼育で絶対に押さえるべき3つの鉄則をまとめます。
- 鉄則①:種類選びで飼育の9割が決まる ― 初心者はブッシープレコなど小型・丈夫な種を選び、大型種への安易な挑戦は避ける。成体サイズを必ず確認してから購入する。
- 鉄則②:水温22〜28℃・pH6.0〜7.5の安定した環境を維持する ― ヒーターとフィルターへの投資を惜しまず、水換えは週1回・1/3量を厳守する。環境の急変がプレコの最大の敵。
- 鉄則③:流木と隠れ家は必須・餌は消灯前に ― 流木は食物源であり安息の場でもある。給餌は夜行性に合わせて消灯前に行い、食べ残しは翌朝必ず撤去する。
この3つを守るだけで、プレコ飼育の成功率は大きく高まります。
プレコは適切な環境を整えれば10年以上も一緒にいられる魚です。ぜひ長期飼育を目指して、個性豊かなプレコとの生活を楽しんでください。


コメント